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読売ジャイアンツ

11 久保 裕也

器用な本格派、万能型

右投右打
沖学園高〜東海大 巨人03自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 巨人 64 0 7 4 7 78 2/3 82 8 67 27 7 3 30 3.43
06 巨人 59 0 5 6 0 61 1/3 58 7 60 26 3 4 21 3.08
07 巨人 13 1 3 5 0 60 1/3 67 13 46 12 6 0 29 4.33
通算 5年 209 2 28 28 15 409 1/3 438 56 364 124 23 22 177 3.89

「松坂世代」の一人。大学時代から多彩な変化球を持つ本格派として知られており、複数球団が獲得に動いた投手。
前評判通り、プロでもその幅広さは本物。充分なスピードとともに、圧倒されるのがその球種の多さ。全体的に切れのある投手で、同僚木佐貫とともに1年目から開幕一軍入り。もっぱら中継ぎでの起用が中心だったが後半には先発もこなし、万能型の貴重な戦力として存在感を発揮した。
反面、チームの投手陣全体が不調ということもあって、ちょっと便利使いされすぎた印象は否定できない。これは2年目の04年も同様で、当初は先発、途中で抑え、その後また先発ととにかく落ち着かない。切れの良さが身上の投手だけに、疲労が蓄積すると痛打されるシーンも目に付く。先発なら先発、リリーフならリリーフと役割を固定してやったほうがいいのだが、チーム事情から中途半端な起用が続いたのは残念。
05年は開幕3戦目に一度先発したが、KOされた上にミセリの大誤算もあって以降はすべてリリーフ。役割が固定されてようやく安定感を発揮した。夏場以降調子を上げ、後半は1点台の防御率。06年もその好調を持続し、8月終了時点で防御率は2点台前半とリリーフで好投を見せた。ただ終盤派手に炎上して後味の悪いシーズンにもなってしまった。
2年リリーフで働いたが、4月後半に昇格した昨年は先発起用。ただ勝ち負け交互の内容で好調だった先発陣には残れず二軍落ち。後半再昇格後も安定感のない投球が続き、9月以降ははっきり乱調。終盤で防御率を1点近く悪化させ、出入りの激しいままのシーズンに終わった。
気になったのはキャンプ時に一度サイドスロー転向を図ったこと。競争激化に危機感を持ったとのことだが、なぜそこまで焦ってしまうのかが疑問だった。結局すぐに取りやめたが、ちょっと弱気な反応で、もう少し闘争心を持ってもいいような気がする。ともかく昨年の結果はあまりに不本意。せっかく固めてきた足場も崩れてしまった。今季は出直し。先発にしろリリーフにしろ、一本に絞ったほうが結果を残せそうだが。

13 林 昌範

長身左腕、奪三振型

左投左打
市立船橋高 巨人02ドラフト7巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 巨人 54 0 2 2 18 67 45 6 67 35 2 6 12 1.61
06 巨人 62 0 4 4 0 56 1/3 45 4 54 16 2 3 18 2.88
07 巨人 41 0 2 1 3 38 1/3 34 6 42 9 0 1 14 3.29
通算 6年 197 0 14 19 21 341 314 40 341 134 15 16 128 3.38

03年の台頭以降すっかり主力に成長した若手左腕。デビュー当時96番というとてつもなく大きい背番号が示すとおり、当初はまったく一軍の想定外。しかし夏には欠かせない投手となっていた。
高校を出たばかりの186cmの長身投手。当然まだ体は出来ていなかったが、しかし持っているものは相当に良かった。投げ下ろす速球に角度があり打者からは見辛い。そして何よりの武器はフォークボール。これも角度が味方して、ワンバウンドするようなコースでも打者が面白いように振ってくれた。なかなか援護に恵まれなかったが最終的には3勝。ベテランの離脱した先発の穴を見事に埋めた。奪三振は投球イニングを上回り、特にフォークはほとんど打たれることはなかった。
04年は大きく負け越し、少々期待を裏切ったが、翌年はリリーフで活躍。6月までで30試合に登板とフル回転。多少のポカはあったが、防御率は1点そこそこと安定。オールスター以降はほぼ抑えに定着して13セーブ、通年で18セーブを挙げた。
登場時に比べるとスピードも向上し、だいぶスケールアップ。制球はやや粗っぽいが、それもまた武器になるだけのボールを持っている。被打率の低い投手で、三振が取れるのも大きな強み。
06年は再び中継ぎに廻り、チームトップの62試合に登板、同じくトップの24ホールドを記録した。昨年は肘に不安を抱え、夏場に肩を痛めて離脱と故障に泣かされたが、それでも41試合登板。開幕から12試合連続無失点と序盤は快投を見せた。
まだ若い投手だが、もはやリリーフ左腕として不動の存在。課題と言われた四球も年々減っており、抑えでも充分な力を持つ。オフに肘の手術を行い、今季は故障明けとなるが、当然戦力として計算される。

17 姜 建銘 (ジャン・チェンミン)

無四球台頭、急落型

右投右打
巨人05途中〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 巨人 - - - - - - - - - - - - - -
06 巨人 10 1 3 2 0 59 2/3 48 2 31 7 1 2 12 1.81
07 巨人 17 0 2 4 0 41 2/3 45 6 30 13 0 1 24 5.18
通算 3年 27 1 5 6 0 101 1/3 93 8 61 20 1 3 36 3.20

06年後半に彗星のごとく現れた台湾出身の先発右腕。安定感の高い投球で一躍主力に食い込んだ若手投手。
05年6月末に巨人入り。まだ学生の身分で、当然プロ経験はなし。年齢からも育成を主眼に置いた獲得だった。05年は二軍でわずか2試合のみの登板で、06年6月に初昇格も負け試合に1イニング投げただけ。ここまではまだ一軍には遠い存在と思われた。しかし8月中旬に再昇格すると、初先発で7回3安打7奪三振の快投初勝利。続く登板も1失点の好投、さらに次の試合で完封勝利を飾り、足並みの乱れていた先発陣に一気に割り込んだ。低迷するチームにあって最大の光明に。
バランスの取れた癖のないフォームで、特筆すべきはコントロールの良さ。06年初登板から28イニング連続無四球を記録し、初めての四球は敬遠だった。トータルでも9イニング平均1.2は、四球が少ないことで名高い上原にも匹敵する数字。当然投球テンポも良く、非常に軽快な印象を残した。
この活躍で背番号も17と若返り、大いに期待された昨年だったが、信じられないような不振に。開幕ローテーション入りも最初に勝ったきり3連敗で二軍落ち。その後も一向に調子は戻らず、一軍と二軍を行ったり来たりの状態でシーズンを終えてしまった。ファームでも冴えない成績で、06年の勢いは完全に失われてしまった。
前年よりイニング数が減ったにもかかわらず四球はほぼ倍増。まるで別人の投球ぶりだった。秋の教育リーグでもガタガタで、ちょっとこれは時間がかかるかも。二桁勝利の期待もかかったのだが…。今季は巻き返したいところだが、外国人枠の関係でチャンスは少なそうな雲行き。とりあえずは出直しか。

19 上原 浩治

エース、精密制球型

右投右打 新人王(99)、最優秀防御率(99,04)、最多勝(99,02)、最多奪三振(99,03)、沢村賞(99,02)、ベストナイン(99,02)、Gグラブ(99,03)
東海大仰星高〜大体大 巨人99ドラフト1位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 巨人 27 6 9 12 0 187 1/3 164 24 145 22 0 0 69 3.31
06 巨人 24 5 8 9 0 168 1/3 157 24 151 21 1 0 60 3.21
07 巨人 55 0 4 3 32 62 47 4 66 4 1 1 12 1.74
通算 9年 250 54 106 57 32 1459 1/3 1264 172 1304 190 28 10 480 2.96

「球界のエース」と称されることも多い、巨人のエース。鮮烈なデビューを果たしたルーキーイヤー以降常に先発の軸として投げ、これまで数多のタイトルにも輝いた完成度の非常に高い投手。
大学屈指の好投手として、99年逆指名入団。そして1年目にいきなりの20勝。投手タイトルを総なめにし、二桁とか即戦力という言葉をはるかに上回る活躍で周囲の度肝を抜いた。
とにかく完成度が高いのが最大の特徴で、どこをとっても破綻がない。球速は速球投手として平均的なレベルだが、制球力は桁違い。ここまで通算でも9イニング平均で1個台。そして絶対の自信を持っているのがフォークボール。カウント球に勝負球に数種のバリエーションを持っており、その質の高さには並々ならぬ自信を持っている。テイクバックも腕の振りも小さく、投手としてはちょっと規格外のフォームなのだが、これもまたタイミングをはずす一因。抜群の制球力で追い込み、テンポ良く試合を進める投手。完投能力も高い。
00,01年は1年目の疲労からやや低迷したが、02年2度目の最多勝に沢村賞で復活。不調時は速球が走らずフォーク頼みの苦しい投球でスタミナ切れも目立ったが、バリエーションを増やすことで払拭した。03年は2度目の最多奪三振に輝いて16勝。04年はアテネ五輪にも出場し、ペナントでも2度目の最優秀防御率。4年連続5度目の二桁勝利を達成。
完全な大黒柱として君臨してきたが、これ以降ちょっと不調に。05年は序盤に打ち込まれたりとらしくない投球が目立ち、本人も公言するほどのスランプで初の二桁敗戦に負け越し。4年続けていた二桁勝利にも届かなかった。巻き返しを期待された06年も勝ち星が延びず、オールスター時点でわずか3勝。結局通年でも8勝止まりで二桁に届かず、しかも負け越しに終わってしまった。ここまで確実に貯金を稼いでいた投手とは思えない姿が続いた。負けが込むと被弾の多さも目に付くように。
昨年は故障で開幕出遅れ。それが意外な形での復活につながった。4月末に昇格すると、不振を極めていた豊田に代わって抑えで起用されるように。長らくファンの間で「現投手陣で適性は一番」と囁かれていた「ストッパー上原」が実現することとなった。そして抑えとしての上原は期待通りの活躍。精緻なコントロールと切れで安定した投球を見せ、上述の下馬評が正しかったことを証明。チームでは93年の石毛以来実に14年ぶりという30セーブ到達、球団新記録の32セーブをマークした。
抑えをやっても一流ということを実証した昨年だが、クルーン加入で今季は先発復帰が確定的。抑えを経験したことが先発でもプラス効果をもたらす可能性も考えられる。4年ぶりの二桁勝利は最低ノルマ。ドラフト時から強い意欲を持っているメジャーへの道も気になるところだが…。

20 豊田 清

守護神、制球力型

右投右打 最優秀救援(02,03)
鈴鹿高〜同朋大 西武94ドラフト3位〜05、巨人06〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 西武 35 0 3 1 19 34 42 4 31 6 0 0 15 3.97
06 巨人 38 0 1 4 13 38 39 2 46 6 0 0 14 3.32
07 巨人 47 0 2 5 4 48 46 2 56 8 2 1 18 3.38
通算 14年 417 14 58 44 152 864 2/3 771 79 740 180 15 14 288 3.00

西武時代に鉄壁のクローザーとして名を馳せた投手。2年連続で最優秀救援を、それも圧倒的な成績で獲得。3年続けて驚異的な防御率で、自責点一桁はまさに圧巻。
00年までは平凡な印象の先発投手。実績は残しているものの、強力な投手陣にあっては地味な存在だった。その上完全な隔年型で、同僚だった横田と区別がつきにくかった。しかし01年、抑えに定着すると別人かと思うようなピッチング。かつてより明らかにスピードが増し、ここまでいい投手だったのか、と眼を見張った。先発時代に平凡だったストレートが7〜8km増速し、絶対の武器フォークにも磨きがかかった。
もともとは隔年選手だっただけに、「2年目以降」には不安もあった。が、02年はリーグ記録の38セーブ(当時)、44セーブポイントとさらにスケールアップ。特に四球の少なさは圧倒的で、抜群の制球力でほとんどの場面で打者三人斬り。あっという間に追い込み、仕留める。その勢いは翌年も衰えず、セットアッパーの森とのコンビは他球団が羨む安定感を見せた。
さすがに疲労がたまったか、03年終盤に故障リタイア。さらに故障に悩まされるようになり、これ以降はちょっと精彩を欠くように。05年も被安打急増で投球内容はずいぶん落ちた。防御率も抑え転向後ではワースト。
06年FAで巨人へ移籍。だがやはり状態は悪くなっていた。序盤こそセーブを稼ぐも5月に派手に炎上するとそこから失速。7月には連続でサヨナラ負けを喫し、登録抹消。結局7月以降は3セーブしか挙げられずに終わった。昨年は復活を期したが序盤に早2敗を喫する不安定な投球。阪神戦では3点差を守れず大炎上し、またも抑え復権はならなかった。ただその後はセットアッパーとして復調。久々に登板数も40試合を越えどん底は脱した。
依然として四球は非常に少ないが、スピードが鈍った分以前のようにポンポンと追い込めなくなっている。もう37歳になるベテランでもあり、さすがにかつての姿を望むのは酷かもしれない。クルーン加入で今季もセットアッパーとなりそうだが、そろそろ体力面も不安。

21 高橋 尚成

実戦派、総合力型

左投左打 最優秀防御率(07)、ベストナイン(07)
修徳高〜駒大〜東芝 巨人00ドラフト1位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 巨人 27 4 8 12 0 163 171 18 135 48 4 1 81 4.47
06 巨人 35 0 2 6 15 62 70 10 51 15 1 1 34 4.94
07 巨人 28 2 14 4 0 186 2/3 168 21 141 50 2 1 57 2.75
通算 8年 197 20 61 55 15 1023 997 127 812 293 25 16 427 3.76

目立つ部分は少ないが、バランスの良い実戦派の左腕投手。入団1年目からローテーションに定着、新人王を争い即戦力の名に恥じない結果を残した。非常に良くまとまったタイプで、ブルペンよりも試合でこそ活きるタイプ。
武器はスクリューボールだが、それほどそれには頼っていない。真っ直ぐはそれほど速くなく突出した力は感じないが、総合的に破綻した部分が無い。制球も良く、ローテーションの3,4番手で存在感を発揮するタイプ。
01年はやや伸び悩み、途中中継ぎに廻されたりもしたがそれでも結局9勝。02年は一年先発に固定され、念願の二桁10勝を達成した。ここまではかなり順調だったが、しかし03年故障で後半戦を丸々棒に振ってわずか4勝。ここからしばらく不調に。
04年復帰はしたものの、夏場に好調も9月に入るとKOの連続と出入りの激しすぎるシーズン。結果10敗を喫してしまった。この波が激しい傾向は翌年も続き、前半はなかなか勝てず、7月以降で7勝も序盤KOを喫する試合も目立つなど安定感には欠けたままだった。06年はファウルボール直撃で右頬骨折のアクシデントに見舞われ、先発から脱落。後半は不調の豊田に代わって抑えで起用され15セーブを挙げたが、安定感には欠け成功したとは言いがたい内容だった。
しばらく停滞状態が続き期待値も低下していたが、昨年突然の大変身。開幕ローテーションに入ると2連続完封を含む5連勝をマーク。その間の失点わずか3という途轍もない快投を見せた。その後も快進撃は続き、6月中に5年ぶりの二桁勝利到達。同じく左腕の内海とともにチームを引っ張る活躍を見せた。
後半は少し勢いに陰りも見えたが、近年のような乱調には陥らず最終的に自己最多の14勝、グライシンガーを振り切り防御率タイトルに輝いた。あれほど不安定だった投手が別人のような働きでリーグ優勝の原動力となった。
ここ数年雑になっていた投球だったが、切れが戻ると同時に丁寧さも取り戻した印象。後半勝てない状態が続いたことに一抹の不安も感じるが、これは大きな自信になったはず。限界突破の一年をぜひとも継続していきたいところ。やはり先発のほうがいい投手。

22 福田 聡志

変則速球派、先発転向型

右投右打
伊都高〜東北福祉大 巨人06希望枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
06 巨人 22 0 3 2 0 24 2/3 20 2 20 22 3 5 15 5.47
07 巨人 15 0 5 5 0 59 2/3 77 3 46 25 3 3 35 5.28
通算 2年 37 0 8 7 0 84 1/3 97 5 66 47 6 8 50 5.34

希望枠でプロ入りの右腕。大学で台頭し、ドラフト戦線では早くから名前の挙がっていた存在。
150kmを越す速球とスライダーを武器にする速球派。特徴的なのはそのフォームで、モーションの早い段階からアゴが上がった状態で投げ込む。少年野球では真っ先に直されそうな基本を逸脱した形だが、これが福田にとってもっとも投げやすいフォームのようだ。大学時代はリリーフとして活躍し、将来の抑え候補としてプロ入り。
1年目は開幕一軍入りを果たし、序盤2連勝と非常に幸先のいいスタートを切った。期待は高まり、4月末までに11試合に登板して3勝。しかしやがて不安定さが顕著になり、成績はどんどん悪化。後半は二軍暮らしで尻すぼみのシーズンに終わった。イニングを上回る四死球で粗さをはっきり見せてしまった。
即戦力の期待を裏切ったが、昨年意外にも先発で台頭。5月に昇格すると即先発登板。この月リリーフの1勝を含め3勝の活躍を見せた。ずっとリリーフでやっていた投手だけに先発での働きは予想外だった。夏場に2勝上積みでシーズン5勝。
ただ勢いは長くは続かず、6月は立て続けにKOで連敗。一度立て直すも終盤はリリーフで打ち込まれてシーズン防御率は結局5点台になってしまった。前年より大幅に減ったものの依然四球は多く、被打率も3割以上。崩れる時はどうにもならないという乱調型の投球だった。どちらの起用法で行くにせよ、この出入りの激しさは克服しなければいけない課題。奪三振率が上がったのはいい傾向なので、今季はさらに上昇を目指したい。アマチュアでも取り組んでうまくいかなかったというフォーム矯正が吉と出るか凶と出るかにもよるが…。

26 内海 哲也

先発左腕、急成長型

左投左打 最多奪三振(07)
敦賀気比高〜東京ガス 巨人04自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 巨人 26 0 4 9 0 114 1/3 138 18 76 31 4 5 64 5.04
06 巨人 31 6 12 13 0 194 163 13 179 52 7 9 60 2.78
07 巨人 28 2 14 7 0 187 2/3 183 16 180 48 11 5 63 3.02
通算 4年 88 8 30 29 0 510 498 48 448 135 22 19 195 3.44

エースへと成長を遂げた左腕。高校時代に注目され、田中(ロッテ)、森(元横浜)らとともに「北陸三羽烏」と呼ばれた。オリックスのドラフト1位指名を受けたがこれを拒否、社会人を経て自由枠で巨人入り。
社会人出身だが完成度の面ではもうひとつで、即戦力というよりは将来性を買われた存在。それでも1年目からファームで9勝を挙げ、防御率タイトルを獲得。終盤には一軍マウンドも経験。
飛躍が大いに期待された05年は開幕ローテーション入り。4月中に3勝と好スタートを切ったものの、開幕一月が過ぎると勢いは止まり、さっぱり勝てなくなってしまった。6月に4勝目を挙げるとあとは勝ち星なし。5点台の防御率で先発定着までは至らず。
未熟な面が強く出、やや球威不足にも感じられた05年だったが、3年目の06年一変。リリーフでスタートも先発入りすると3連勝。その後一時崩れかけたが、後半は完全にローテーションに定着し8月3連勝で10勝到達。200イニング近く投げて2点台の防御率に収め、負け越したもののチームトップの12勝を挙げる大飛躍の一年となった。上原の勝ち星が伸びず、パウエルも失速した後半は先発の軸となる活躍。
前年から大きく変わったのが腕の振り。一目で分かるほど大きく鋭くなり、すべての球種が大幅にパワーアップした。それはリーグ3位の奪三振にはっきり反映されている。そして被打率・被本塁打は大幅減。切れも球威も向上して完全に一本立ちを果たした。
上原の出遅れで開幕投手を務めた昨年はさらに向上。特に前半は好調で、高橋尚、金刃らとともにチームを牽引した。後半防御率を悪化させてしまったものの、自己最多の14勝をマーク。奪三振タイトルを獲得し、先発の柱として一本立ちを果たした。
荒々しさも残る投球は持ち味の一つ。次の目標は昨年逃した最多勝か。順調な成長ぶりは見事。

27 門倉 健

大型右腕、乱調型

右投右打 最多奪三振(05)
聖望学園高〜東北福祉大 中日96ドラフト2位〜99、近鉄00〜03、横浜04〜06、巨人07〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 横浜 29 4 11 8 0 197 2/3 175 19 177 76 6 6 74 3.37
06 横浜 28 2 10 9 0 154 1/3 187 19 114 51 3 1 83 4.84
07 巨人 12 0 1 5 0 31 2/3 36 7 26 14 0 2 21 5.97
通算 12年 291 18 76 80 10 1263 1/3 1283 153 1130 530 42 46 613 4.37

05年史上4人目の「12球団から勝利」という記録を残した先発右腕。パで唯一在籍した近鉄とは対戦も出来なくなってしまったが、新球団の楽天と古巣の中日に勝っての達成となった。
191cmの長身から投げ下ろす速球とフォークを武器にする投手。特にフォークは二階から落ちてくる威力で、プロ入り即7勝をマーク。さらに97,98年と連続二桁勝利を挙げて、一躍エース候補と呼ばれた。ところがここから伸び悩み。どうもフォームに迷いがあり、年々腕が下がる悪癖。せっかくの長身をあまり活かせず、99年2勝と不振に終わると翌年は近鉄へトレード。
しかし移籍後も期待されながら不振は脱せず、01年は8勝も防御率は6点台。先発を確保しきれず、日本シリーズも登板はなかった。さらに02年はプロ入り後初の0勝と大低迷。翌年6勝で立ち直るも良かったのは前半だけで、横浜移籍の04年も先発では全く結果が出ずリリーフに。佐々木離脱以降は抑えにも起用されたが、好調が長続きしなかった。
球速はまずまずあり、威力は充分。何が悪いのか、ボールだけを見ていると良くわからない投手。どうも精神的なものか詰めの甘さが目立ち、二桁当然の力を持ちながら、なかなか壁を破りきれない。
05年大発奮を見せ、かつてなかったほどの安定感を一年維持。防御率を大幅に良化させ、中日時代以来7年ぶりの二桁、自己最多の11勝をマーク。同僚三浦と並んで奪三振タイトルにも輝いた。しかしこれが続かないのがこの人の悪いところ。06年は開幕3連敗、その間の防御率が10点オーバーと散々なスタート。その後巻き返して最終的にはチーム唯一の10勝を挙げたが、内容自体は5点近い防御率で誉められるようなものではなく、二桁勝てたのは運に恵まれた印象が強かった。
この評価は球団も同様だったようで、契約交渉が不調。FA権を行使し昨年は巨人へ移籍した。しかしその結果は期待を大きく裏切るものに。開幕ローテーション入りも3連敗で脱落、さらに腰を痛めて長期離脱し、自身最低の登板数に終わった。防御率も6点近く、復帰後の8月に挙げた1勝のみ。戦力とは言いがたいシーズンに終わった。
もうベテランの域に入りつつあるが、昨年も初勝利の次の登板で滅多打ちされるなど、依然乱調癖が抜けない。球威面で衰えも垣間見え、奮起しないとジリ貧に陥る可能性も高い。どうしても顔を出す頼りない面を消して欲しいところだが。

28 金刃 憲人

先発左腕、即戦力型

左投左打
市立尼崎高〜立命大 巨人07希望枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
07 巨人 22 1 7 6 0 121 2/3 116 20 76 33 5 6 48 3.55
通算 1年

昨年の希望枠ルーキー。前半ローテーション入りの活躍で、期待通りの即戦力となった。
早い内から話題となっていた投手で、大学時代はソフトバンク入りした大隣と並び称された存在。06年ドラフトの目玉の一人として希望枠でプロ入り。期待は大きく開幕5戦目に先発でプロ初登板となった。この試合では勝てなかったものの、次の登板で勝ち投手となるとそこから4連勝。内海・高橋尚とともに「左の三本柱」としてチームを引っ張る活躍を見せた。
びっくりするほど速いというタイプではないが、強気で押していく攻めの投球が身上。前半は内角を攻め込み、活きのいい投球を見せていた。また一軍でやれるだけの制球力を持っていたことも大きい。
幸先のいいスタートを切ったが、7月に調子を崩し始めこの月4敗。オールスター以降は全く勝てなくなり、終盤は先発からも外れてしまった。後半の失速で有力と見られた新人王争いも上園に逆転を許す結果に。成績を見ればわかるとおり奪三振が少なめでやや決め手に欠ける面を持つ。また被弾20というのも多く、内7本は広島戦で浴びたもの。ただ勝てなかったとはいえ最後の登板で7回零封と好投、今季は先発で一層の飛躍が期待される。

29 セス・グライシンガー

制球安定、ハイタワー型

右投右打 最多勝(07)
ヤクルト07、巨人08〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
07 ヤクルト 30 3 16 8 0 209 185 14 159 31 4 7 66 2.84
通算 1年

いきなりの活躍を見せた外国人投手。かつてはメジャードラフト1位の長身投手で、06年は韓国で14勝。故障者が多いチーム状況で、安定した投球でチームの大黒柱に。
身長190cmから投げ下ろす投球以上に、最大の持ち味は四球をほとんど出さない制球の良さ。9イニング平均で1個台の与四死球率は、規定投球回到達中リーグトップ、両リーグを合わせても武田勝に次ぐ少なさ。やや変則的な腕の使い方からチェンジアップやカーブを操り、見た目にも非常に打ちづらそうなタイプ。
初登板は負け投手となったが、その後3連勝。その時点で開幕から30イニング連続無四球の投球。一つ負けた後、オールスター前最後の登板で負けるまで7連勝を記録。苦しい状況のチームを支える活躍を見せた。前半で10勝に到達し、最終的に16勝で最多勝に。後半若干内容が落ちて防御率タイトルは惜しくも逃したが、非常にハイレベルの成績を残しエースとして君臨した。
ガトームソン退団、ゴンザレス故障、石川大不振と先発は頭数すら揃わない危機的状況だっただけに、まさに救世主的存在となった。改めてヤクルトの外国人スカウティングの良さを認識させたが、オフの契約交渉は難航。自由契約となり、今季は巨人へ移籍することに。ヤクルトとしてはあまりに痛い退団となるが…。

30 西村 健太朗

若手右腕、発展途上型

右投右打
広陵高 巨人04ドラフト2巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 巨人 12 0 2 4 0 39 1/3 54 5 23 13 1 2 25 5.72
06 巨人 31 0 5 7 0 117 1/3 113 14 83 40 6 2 46 3.53
07 巨人 57 0 1 0 1 66 68 5 28 24 6 2 32 4.36
通算 4年 103 0 8 11 0 226 1/3 248 26 137 82 13 7 112 4.45

高校時代、センバツ優勝投手となった右腕。将来のチームを支える候補として期待は大きい。
時間をかけて育成かと思われたが、抜擢は予想以上に早く、1年目7月には早くも先発を経験。2年目は夏場以降に昇格し7度の先発、2勝を挙げた。そして06年は開幕二軍スタートも4月末に昇格。しばらくはリリーフだったが、チームが不振に陥る中徐々に先発機会も増え、14回の先発を含む31試合に登板。一気に登板数が増え、3年目にして一軍定着を果たした。
均整の取れた本格派で、スピードは150kmを越え、チーム内でも一、二を争う。若いながら球種も豊富。ただ空振りを奪う球質ではなく、やや決め手不足の面も。
昨年は開幕からリリーフにほぼ専念。特に後半は飛躍的に登板数が増え、8月リーグタイ記録となる月間17試合登板。通年でもチームトップの登板数となった。一気に重要な場面での起用が増えたが、終盤は疲れたかちょっと打たれる場面が増え、7月の乱調も響いて通年では4点台の防御率に終わった。
奪三振率が低いのはともかく、四死球が多い、左打者に弱いなど課題はまだ多い。特に気になるのがホームとそれ以外で極端に成績が違ったこと。偶然かもしれないが、東京ドーム以外では31試合で26失点、6点近い防御率とあまりに悪すぎた。抑え志向もあるようだが、この内弁慶では問題が多い。着実に前進はしているので、今季はもっと安定感を見せたい。

33 野間口 貴彦

速球右腕、微前進型

右投右打
関西創価高〜創価大中退〜シダックス 巨人05自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 巨人 9 1 4 3 0 47 2/3 51 12 32 17 0 2 35 6.61
06 巨人 26 0 1 3 0 42 37 5 33 21 1 0 16 3.43
07 巨人 7 1 4 0 0 25 21 0 16 2 1 0 5 1.80
通算 3年 42 2 9 6 0 114 2/3 109 17 81 40 2 2 56 4.40

社会人bPの評価を受け、入団前には争奪戦も繰り広げられた04年アマチュアの目玉投手。自由枠で即戦力と期待されてのプロ入り。
早くから評判になっていた投手で、カツノリの巨人入りはこの野間口獲得のため(当時所属チーム監督が野村克也氏)とまで言われた。投手陣の弱体化が進むチーム状況から期待は大きかったが、1年目は期待はずれな結果に。5月に昇格しいきなり連勝を飾るも、展開に恵まれた幸運なもので内容はさっぱり。6月までに6度先発したが防御率は8点近く、しばらくファーム落ち。結局後半は二軍にいることが多く、期待ほどの結果は残せずに終わった。
即戦力にはなれなかったが、2年目は主にリリーフで内容向上。あまり目立たなかったが成長のあとはうかがわせた。そして昨年はシーズンの大半を二軍で過ごしたものの、終盤昇格後別人のような投球を披露。先発して無四球完投含む連勝、続くリリーフでも連勝し最後の4試合で4連勝。四死球わずか3というのがこれまでと全く違うところで、わずかな登板でも光るものを見せた。
これが本物ならば、いよいよ今季からは本格台頭が期待される。本来の素質発揮となるかどうか、注目したいシーズン。

37 藤田 宗一

鉄腕リリーフ、パワー型

左投左打 最多ホールド(00)
島原中央高〜西濃運輸 ロッテ98ドラフト3位〜07、巨人08〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 ロッテ 45 0 1 4 0 38 2/3 27 2 31 13 1 1 11 2.56
06 ロッテ 56 0 4 3 0 40 2/3 42 1 35 7 2 0 16 3.54
07 ロッテ 31 0 1 2 1 15 2/3 28 2 12 2 1 1 22 12.64
通算 10年 523 0 18 20 8 398 1/3 418 35 327 110 11 9 172 3.89

長年ロッテの左の中継ぎエースだった投手。ここまで7度の50試合以上登板を記録している鉄腕。特に1年目はストッパー的役割も果たした。
社会人からプロ入りしていきなり56試合に登板。この年不調に陥った河本の代わりに抑え役もこなし、2点台そこそこの防御率で6勝7セーブを挙げた。その後はショートリリーフがメインとなり、99,00年は連続リーグトップの登板数。02年まで5年連続50試合以上登板と、使い減りしないタフさで活躍。00年は70試合に投げて最多ホールドにも輝いた。
投手としては小柄な方だが、どっしりした体形から力強いボールを投げる。球種は少ないが直球のスピードとスライダーの切れはかなりのレベル。いけいけのピッチングで制球はやや甘いが、とにかく勢いは清々しいほどある。
03年は開幕に出遅れ、28試合登板と不本意なシーズンとなった。しかし翌年には鉄腕復活。さらに05年は自身最高のピッチングを見せ、抜群の安定感でチームの継投プランを支えた。ポストシーズンでも6試合無失点に抑え、優勝にも大きく貢献。06年は終盤打ち込まれて少し落ちたが、それでもチームトップのホールドを記録。
投手王国と言われたチームだが、リリーフ陣、特に左腕はこの藤田と高木だけと言ってよく、高木が敗戦処理中心のため、接戦のマウンドは事実上藤田の独壇場。その負担はかなりのものと思われるが、03年を除いてほとんど離脱することなく投げ続けてきた。鉄腕ぶりはかなりのもの。
しかし昨年は信じられないような大不振。スタートも悪かったが5,6月に14試合で18失点という悪夢のような大炎上。再調整後の終盤、1年目以来9年ぶりのセーブを挙げる場面もあったが、状態はさほど上向かず、シーズン通して不調のまま終わった。防御率10点オーバーという目を疑うような結果に。
左打者に3割、右打者にはなんと5割以上打たれる滅多打ち状態。ここまでの急落は全くの予想外だった。パワータイプの投手で、すでに35歳の年齢から力が落ちてきたのだろうか。この不振に加えて川崎に目処が立ったこともあってかシーズン後戦力外となり、今季は巨人へ移籍。環境が変わったここで立ち直れるか否かは大きな分かれ道に。

39 吉武 真太郎

技巧派、リリーフ再浮上型

右投右打
国東高 ダイエー/ソフトバンク94ドラフト4位〜06、巨人07〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 ソフトバンク 61 0 2 4 1 66 1/3 70 2 49 19 3 0 23 3.12
06 ソフトバンク 60 0 3 2 0 65 2/3 70 4 36 20 3 0 22 3.02
07 巨人 16 0 2 0 0 19 12 1 11 5 0 0 4 1.89
通算 14年 316 16 30 40 5 666 2/3 678 69 400 199 24 12 280 3.78

リリーフで奮迅の働きを見せた中堅右腕。若い内にエース候補と目されるも長期の不振に陥っていたが、リリーフとして復活してきた。
高校時代に名の通った存在ではなかったが、プロ入り2年目に早くも台頭。先発で5勝を挙げて新星として注目された。翌年は先発にリリーフにフル回転して規定投球回到達。球速は平凡ながらも年齢に似ぬ制球力があり、当時貧弱だった投手陣の軸になることが期待された。97年は7勝ながら、無四球完投がリーグトップの4試合。四球で自滅しない安定感があり、強気の攻めにも特徴があった。
順調に来ていたと思われたが、しかし5勝で終わった98年を境に急激な低迷が始まる。故障もあったが、それが癒えてもかつての面影は戻ってこない。リリーフでも結果を出せず、ベンチの信頼も完全に失っていた。
すっかり影が薄くなっていたが、10年目に入ってようやく復調の兆し。03年は中継ぎとして一時はかなりの安定感を見せた。あまり好調は長続きせず、翌年は後半だけしか働けなかったが、それでも内容は上々。その流れから05年一気に躍進してチームトップの61試合に登板。5月の中旬まで18試合連続無失点を続け、セットアッパー役を務めた。その後も厳しい場面を任され、菊地原に次ぐリーグ2位の34ホールドを記録。翌年は藤岡の活躍で一歩引いたような形だったが、それでも2年連続の60試合登板。安定した働きを見せた。
投球スタイルは徹底的にくさいところを突いて打ち損じを誘うもの。カットボールの習得で勝負球ができたのが大きなプラスとなった。この球種のコントロールに絶対の自信を持っており、右打者の外角・左打者の内角での出し入れが最大の持ち味。球威が平凡なため、得意球で懐を突ける左打者のほうが攻めやすい。
完全な主力投手だったが、意外なことにプロテクト漏れで、FA小久保の人的補償として昨年は巨人へ。中継ぎの柱に期待されたが、前年終盤から失点がかさみ始めた勤続疲労はあったようだ。序盤1試合に登板したあと長期の二軍調整。終盤復調を果たしてなかなかの投球を見せたが、トータルで見れば期待を裏切った形となった。
元来そう体力のあるほうではなく、この点がプロテクト漏れの原因だったかもしれない。万全なら中継ぎで充分な戦力となるが、ビシッと抑えるタイプではなく、それなりの被安打は見積もっておくべき投手。終盤の状態なら今季は期待できるか。

41 木佐貫 洋

本格派右腕、故障復活型

右投右打 新人王(03)
川内高〜亜大 巨人03自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 巨人 14 0 0 1 5 13 2/3 13 1 17 3 0 0 6 3.95
06 巨人 3 0 0 3 0 10 1/3 24 3 7 2 0 0 11 9.58
07 巨人 26 0 12 9 0 148 2/3 144 17 131 35 0 1 51 3.09
通算 5年 99 9 29 28 10 487 1/3 517 59 489 134 18 8 211 3.90

「松坂世代」と呼ばれる03年の大学生新人の中でも、右腕ではbPと言われた投手。即戦力の期待通り、1年目からローテーションに入り二桁10勝。見事新人王に輝いた。
開幕から先発入りしたものの、当初はなかなか勝てず。いいボールを投げているにもかかわらず脆さをしばしば見せ、これはちょっと厳しいかと思わせた。しかしそんな不安もじきに払拭。慣れてくるとともに硬さも取れ、能力の高さを見せ付けるようになった。一時は抜群の安定感で先発の柱と言ってもいいほどの活躍。後半にはもう上原と両輪の存在に。
150km級の速球はもちろん、フォークも一級品のスケールの大きな投手。03年奪三振率は規定投球回以上でリーグトップと、追い込んでからは無類の強さを見せた。ただ一度不調に陥ると歯止めが利かず、なかなかスランプから抜け出せない不安も垣間見せた。シーズン中盤の勢いだったらもっと勝ち星が伸びてもおかしくなかった。
評判に違わぬ活躍を見せたが、2年目以降いまひとつ。前述の不振が長引く傾向が顕著に出てしまった。2年目は先発で波に乗れず、球の強さを買われて抑えに廻っても内容は今ひとつ。さらに抑え定着が期待された05年は故障頻発で、その影響は06年にも残り、3度先発もいずれも5回持たず。事実上2年を棒に振る形に。
苦難のシーズンが続いたが、昨年待望の復活。開幕からローテーションに名を連ね、特に横浜を5戦4勝とカモに。コンスタントに勝ち星を重ねて1年目以来4年ぶりの二桁勝利、それも自己ベストを更新する活躍を見せた。抑えに廻った上原に代わり、先発の右の中心として安定。
さすがに故障前の球威とはいかないが、制球力が安定し大崩れしなかった。何より苦しんだことで精神的にタフになった印象がある。ゲームでのスタミナに若干課題を残したが、先発の中心に座れる存在。2年続けての活躍でそれを実証したい。

42 マーク・クルーン

新守護神、速球王型

右投右打
横浜05〜07、巨人08〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 横浜 56 0 3 2 26 54 1/3 42 2 63 23 0 1 16 2.65
06 横浜 47 0 2 5 27 48 38 4 70 8 1 4 16 3.00
07 横浜 43 0 3 1 31 42 1/3 35 3 65 15 2 5 13 2.76
通算 3年 146 0 8 8 84 144 2/3 115 9 198 46 3 10 45 2.80

日本新記録となる161kmをマークした新速球王。セットアッパーを期待されての入団だったが、佐々木の不振からクローザーの座について安定。
スピードが評判でもなぜか来日するとさほど速くない投手が多い中、このクルーンは前評判に偽りなし。オープン戦から快速球を披露し、開幕すると150km超を連発。というよりも、ストレートに関しては常時150以上で、しかも後半の数字を気軽に連発する。速球以上の決め球としているフォークも140km台中盤という凄まじさで、まさに桁違いのスピードを誇る。
アメリカ時代から速さには定評があったが、制球難と故障で突き抜けなかった。その制球難は日本でも不安視されたが、タメをつくるフォームで解消。ボールは抜群だがそれ以外が粗いタイプだけに、登板状況が不定の中継ぎよりはクローザーのほうが向いていたと思われる。長い腕を鋭く振る姿は迫力満点。
06年は規制強化に伴って、上げ下げしていた足を高々と上げるフォームに変更。奪三振を増やして四死球は大幅に減らし、開幕から不動の抑えとして君臨した。昨年もクローザーに座り自己最多の31セーブをマーク。チームの勝ちパターンとして活躍。
ただ06年から見せ始めたムラッ気は昨年さらに強まり、ビシッといかないことも多くなった。さらに股関節に故障を抱え、スピードも若干低下。シーズン終盤はかなり不安定となり、自責点13のうち8が9月以降のもの。安心感にはもう一つだった。
オフの契約交渉がこじれ横浜退団、巨人への移籍となった。圧倒的な速さと高速フォークは大きな魅力だが、故障の影響で陰りも見えるだけにどうなるか。不安な面も強い。

46 野口 茂樹

一芸技巧派、乱高下型

左投左打 最優秀防御率(98,01)、MVP(99)、最多奪三振(01)、Gグラブ(01)
丹原高 中日93ドラフト3位〜05、巨人06〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 中日 13 1 3 6 0 72 71 8 57 26 4 3 32 4.00
06 巨人 1 0 0 0 0 3 7 0 1 1 0 1 3 9.00
07 巨人 31 0 1 1 0 29 1/3 34 4 28 20 3 0 14 4.30
通算 15年 281 37 81 79 2 1405 2/3 1408 132 1122 528 39 42 577 3.69

絶対の武器・スライダーを駆使し、一度は天下を取った先発左腕。98〜01年の4年間で54勝を挙げ、この時期は完全にエースとして君臨していた。どっしりとした体型で球威もあるタイプ。
入団後、早い時期から期待されていたものの、3年目の抜擢には応えられず。一軍定着までには結構もたついた感がある。精神的に弱い部分があり、素質を活かしきれない面が強かった。
しかし98年になって突如才能開花。勝ち続けることで自信を深め、さらに好調を維持する好循環。この年14勝を挙げ、2.34の好成績で防御率タイトルを獲得。ようやく持てる才能を発揮できるようになり、翌年は19勝の堂々たる成績。防御率もリーグ2位で、完全に一本立ち。どころかリーグを代表する投手にまで成長した。00年は疲労からかスライダーの切れが悪く不調に終わったが、翌年は復活。打線の援護がなく12勝止まりだったが、2度目の防御率タイトルに輝いた。完封5、無四球5の数字は文句のつけようがない。
しかし翌02年から急落が始まる。故障でほぼ一年を棒に振りわずか5試合登板、2勝。これで築き上げてきた自信をいっぺんに失ってしまった。03年は9勝でも防御率は4点台で内容は精彩を欠いた。さらに04年は出足こそ良かったもののそこから大乱調。投げてみなければわからない不安定な状態で、とうとう夏場に先発をはずされ、リリーフ失敗が続くと一軍からもはずされてしまった。
わずか数年で一気に色褪せ、トレード要員を宣告されるまでに追い込まれるとは全くの予想外だった。06年FAで巨人へ移籍。しかしジリ貧傾向を止めることはできず、自己ワーストのシーズンに。開幕は二軍で迎え、5月にようやく昇格したが先発して3回KO。肘痛を訴え、結局これが唯一の一軍登板に終わってしまった。
まだ老け込むような年でもないのだが、かつての輝きは完全に失ってしまった。昨年はワンポイント中心の起用で前半はなかなかいいところを見せた。しかし日程を追うごとに悪くなっていき、8月派手に炎上して二軍落ち。どん底こそ脱したが復活とまでは言えない結果に終わった。
このまま終わってしまうのは寂しいが、元来の気の弱さもあってちょっと先が見えない状況。大幅減俸で更改し、今季はまさに後がない状態。自信はもう取り戻せないのだろうか…。

47 山口 鉄也

育成上がり、リリーフ型

左投左打
横浜商高〜米マイナー 巨人06育成ドラフト1巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
06 *巨人 (- - - - - - - - - - - - - -育成枠)
07 巨人 32 0 2 0 0 25 1/3 24 2 21 15 2 3 11 3.91
通算 2年

育成枠から這い上がり、リリーフで台頭してきた左腕。育成ドラフト出身者として史上初の一軍勝利を記録した。
育成選手として入団した1年目はファームで25試合登板、防御率1点台の活躍。評価も高く、オフにも支配下登録と言われた。時期はずれ込んだものの昨年4月下旬に「昇格」達成。間を置かずに一軍登録され、2度目の登板で幸運なプロ初勝利。その後いったん打たれて二軍落ちしたが、7月に再昇格。林の故障などリリーフ左腕に空きができるチャンスを見事に掴んだ。これ以降登板機会が大幅に増え、シーズン32試合に登板。一気にリリーフ陣に食い込むことに。
速球とスライダーのコンビネーションに加えてシンカーを習得。奪三振は多めで、切れ味はなかなかのもの。ショートリリーフが主だったが、8月には2番手2イニング登板で2勝目を挙げた。
支配下登録されて99番だった背番号が、今季は左投手の花形とも言える47番に。期待もなかなかに高い。昨年でも二軍では圧倒的な好成績でこのレベルは完全に超越している。一軍で四球が多かったのが課題だが、這い上がってきた自信で更なる飛躍を期する。

63 会田 有志

二代目サブマリン、技巧派型

右投右打
佐野日大高〜中大 巨人06ドラフト(大・社)7巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
06 巨人 - - - - - - - - - - - - - -
07 巨人 34 0 3 2 0 35 2/3 33 3 16 9 3 1 12 3.03
通算 2年

昨年中継ぎで台頭してきた下手投げ投手。父・照夫氏は71年から80年までヤクルトに在籍し通算29勝を挙げたアンダースロー投手。親子二代のサブマリンとしてプロで活躍することとなった。
大学・社会人ドラフト7巡目でプロ入り。当初はサイドスローで、即戦力の期待もあったが1年目は二軍暮らし。成績もあまり良くなかった。しかし秋季キャンプで腕を下げてアンダースローに転向したことが飛躍の契機に。2年目の昨年は開幕から一軍に名を連ね、特に開幕直後は12試合で1失点と高い安定感を発揮、リリーフの一角に完全に食い込んだ。4月末にプロ初勝利、オールスター時点でチーム2位の10ホールドを記録。
サブマリンといえば渡辺俊を連想するが、印象はだいぶ異なる。緩急で打者の型を崩す渡辺に対し、こちらは癖のあるボールでコースを突いてくるタイプ。希少価値のある投法で目先をかわす意味でもリリーフとして面白い存在になりつつある。
実質1年目とあって疲労からか7月に入って調子を落とし、後半は全く登板なく終わってしまったのは尻すぼみの感だが、とりあえず数字を残したのは大きい。渋い働きを期待したい投手。