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矢野 輝弘

正捕手、バランス型

右投右打 ベストナイン(03,05,06)、Gグラブ(03,05)
桜宮高〜東北福祉大 中日91ドラフト2位〜97、阪神98〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
05 阪神 138 499 135 26 0 19 218 71 1 9 2 32 8 113 .271
06 阪神 133 453 124 20 3 17 201 78 0 8 5 32 3 94 .274
07 阪神 106 356 84 14 1 6 118 42 0 7 1 34 3 92 .236
通算 17年 1512 4466 1220 200 20 106 1778 525 15 93 24 382 56 967 .273

いまやすっかり阪神の顔というべき存在になった正捕手。高い打撃センスとバランスの取れたディフェンスでチームの要。移籍で大きく花開いた選手。
中日時代は中村の控え。入団年からコンスタントに試合に出て、一時は中村の地位を脅かす場面もあった。だがもう一歩のところで信頼を勝ち取れず、完全に抜き去るところまでいかなかった。正捕手の力量を持ちながら状況に恵まれていなかったが、大型トレードでの移籍で一気に運が開けた。
98年に阪神入りすると、いきなり不動の正捕手に。当時どんぐりの背比べ状態だった阪神の捕手の中に入ると、バランスの良さは一歩も二歩も抜けた存在だった。ディフェンス全般に安定感が高く、それ以上に際立っていたのがシュアなバッティング。鈍重な一発屋の多い捕手には珍しいアベレージ型で、99年には3割をマーク。一時は2番を任されたほどで、その存在感は年を追うごとに上昇。02年には故障離脱した途端にチームが失速するなど、勝敗を左右するほどまでに高まった。
これだけでも充分有意義な移籍だったが、圧巻はやはり03年。前年来の打撃好調でチームを牽引し、勝負強さも披露。すべての面で自己ベストを更新する大活躍で、優勝の大きな立役者となった。MVPに輝いた井川と比べても甲乙つけがたく、全体的な貢献度ではむしろ上回っていたかもしれない。攻守に渡って要となる大きな選手に成長した。
すでにベテランながらこれ以降も安定状態。チームとしては後継者育成も念頭にあったものの、後続を全く寄せ付けなかった。05年は自己最多の19ホーマーを放ち、06年は03年に次ぐ78打点を記録。依然として攻守に大きな存在感を発揮。
しかし昨年は久しぶりの不振。序盤からの打撃低調に加えて故障もあり、前半は狩野、夏場からは野口に先発を譲る場面も増えてきた。先発マスクは故障に泣いた02年以来5年ぶりに100試合を切り、2割台前半の打率のままシーズン終了。一桁の一発に終わったのも5年ぶり。
すでに39歳、以前から徐々にフットワークが落ちてきていたが、いよいよ打撃のほうでも衰えがきたか。まだ正捕手の立場は譲らないが、この年齢からして一気にガタッと来る可能性も否定できない。チームを強豪に変えた立役者の一人だが、世代交代の時迫る。

矢野 謙次

準レギュラー、パンチ力型

右投右打
国学院久我山高〜国学院大 巨人03ドラフト6巡〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
05 巨人 85 203 57 7 1 7 87 14 2 11 1 9 4 30 .281
06 巨人 103 335 90 18 0 6 126 30 11 2 1 21 13 66 .269
07 巨人 103 158 46 14 2 7 85 29 1 3 1 9 7 32 .291
通算 5年 304 715 197 40 3 21 306 75 14 16 3 39 25 133 .276

05年急台頭を見せて脚光を浴びた外野手。最大の成長株としてアピールし、06年レギュラー格に。
俊足強肩に大学時代通算23本塁打を記録したスラッガー。しかし東都二部ということでドラフトでは下位指名だった。注目度も低く最初の2年はほぼ二軍暮らし。だが04年はファームのレギュラーとなり、一軍でも初ホームランを記録。
そして3年目の05年はオープン戦の活躍で開幕一軍入り。すぐに二軍落ちするも、再昇格後立て続けに一発を放ち、4割近いアベレージで一気に外野の一角を狙う位置に急浮上。準レギュラークラスの出場機会を得て、一軍定着を果たした。そして翌年はさらに出場機会増加。高橋由が故障がちで、清水が大スランプという状況下先発機会は一気に増え、100試合300打席を突破した。チームでは鈴木に次ぐ11盗塁をマークし、足のあるところもアピール。順調に地位を向上させてきた。
思い切りのいい打者で、一発を放てるパンチ力が魅力。また走力・肩も評価され、守備固めに入る機会も多め。すでにレギュラーでやっていけるだけのバランスの取れた力を持っている。
昨年は谷の加入、高橋の復調でポジションからは遠ざかり、打席数は大幅に減った。しかし代打で強烈な活躍を見せ、むしろ前年以上の存在感をも見せた印象。特に交流戦の時期は絶好調で、ソフトバンク戦では代打逆転満塁弾の離れ業も。チーム最多の代打起用で3割4ホーマー15打点の結果を残し、切り札ともなった。シーズン打率も自己ベスト。
ビッグネームに押し出された格好でも、しっかりと力をアピールした。今季はさらにラミレス加入でますますレギュラーが遠のきそうな雲行きだが、もっと出番を与えて欲しい選手。対左の切り札としても楽しみな存在。

山崎 勝己

正捕手候補、急台頭型

右投右打
報徳学園高 ダイエー/ソフトバンク01ドラフト4位〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
05 ソフトバンク 3 2 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 .500
06 ソフトバンク 105 245 56 7 0 1 66 19 1 19 2 17 1 72 .229
07 ソフトバンク 100 184 34 2 0 0 36 6 2 21 0 7 1 53 .185
通算 7年 208 431 91 9 0 1 103 25 3 40 2 24 2 126 .211

城島が抜けた06年、正捕手争いに急台頭を見せた捕手。前年まで一軍出場わずか3試合の無名の存在だったが、一年で先行していた的場を抜き去った。
これまでは全く地味な存在で、城島のメジャー移籍が取り沙汰されても、後継候補に名前が挙がることはほぼ皆無だった。しかし二軍でこつこつとキャリアを積み、05年一軍初出場。それでもあくまでリザーブ候補、開幕前は2番手から3番手という予想だったが、オープン戦で力量をアピール。的場が精彩を欠くのとは対照的に注目されるようになり、開幕後徐々に出番が増加。ファールチップで前歯を折りながら出場を続ける気合も見せ、いつしか的場を大きく引き離して正捕手格に。斉藤以外の先発時はほとんどマスクを被り、一気に100試合以上に出場。またとないチャンスを活かして台頭してきた。
的場との比較論で言えば、肩も打撃も山崎のほうが若干だが上。打撃は非力ながらもシーズン途中まではなかなかしぶとさも見せた。終盤はっきりばてたものの、大穴的存在から急浮上。
しかし正捕手定着を期待された昨年は大きく足踏み。ずっと1割台と低調な打撃に加えて、守備面でも進歩が乏しく、信頼を掴めぬままだった。的場が完全に脱落した代わりに打撃のいい田上が捕手として浮上。100試合出場でも先発機会は前年より減り、停滞の一年に。
昨年を語る上で外せないのが、1割4分と情けないほど低かった盗塁阻止率。肩の強弱ではなくコントロールが致命的に悪く、タッチどころか捕球するのがやっとという送球が頻発。チーム全体で2割未満という悲惨な結果の、間違いなく最大の原因となってしまった。打撃が弱い以上守備面でアピールする他ないのだが。捕手争いは依然混沌だが、昨年同様なら出番はさらに減る危険性大。送球難は絶対克服しないと。

山ア 浩司

移籍台頭、守備上位型

右投右打
大産大付高 近鉄99ドラフト3位〜04、オリックス05、広島05〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
05 広島 96 208 53 4 0 1 60 9 1 31 1 4 3 40 .255
06 広島 27 81 9 1 0 0 10 1 0 2 0 3 0 19 .111
07 広島 17 32 8 0 0 0 8 2 0 2 1 1 0 7 .250
通算 9年 143 326 70 5 0 1 78 12 1 35 2 8 3 67 .215

05年移籍した広島で浮上した内野手。故障者続出のショートに収まり、レギュラー候補となった。
近鉄に在籍した04年までは、6年間で一軍出場はわずかに3試合とほとんど二軍暮らし。守備力に定評も打撃が弱く、なかなか一軍の壁を突破できなかった。04年もファームレギュラーと言っても打率は2割5分とパッとしないもの。分配ドラフトでオリックス入りのあと、トレードで広島入り。
しかしこの移籍が大きなチャンスへとつながった。シーツが抜け、岡上がシーズン絶望の故障。さらに代役を務めた尾形までが開幕後故障離脱する緊急事態から5月に一軍昇格。当初はやはり打てず、守備要員から脱却できなかったが、8月に入るとネックの打撃が急上昇。これ以降はほぼレギュラーに座り、8〜10月は3割近いアベレージ。2番定着でリーグ2位の31犠打も記録し、前年まで無安打とは思えない台頭を見せた。
移籍といえど、故障者が出なければここまでのチャンスがあったかどうか。まさに千載一遇の好機を活かした形となった。しかし翌年はこの勢いを維持できず。開幕スタメンも打撃が壊滅的な状態で、梵の台頭・東出の復活からポジション失陥。6月には二軍落ちし、また元の立場に逆戻りしてしまった。終盤再昇格も9打席ノーヒットでシーズン終了。
守備は安定しているが、やはり問題は打力。昨年はさらに出番が減り、後半だけの一軍だった。打撃面で現在の二遊間に割って入るのは厳しそうで、生きる道は守備職人か。しぶといところをアピールできれば。

山ア 武司

一発屋、大復活型

右投右打 本塁打王(96,07)、ベストナイン(96,07)、打点王(07)
愛工大名電高 中日87ドラフト2位〜02、オリックス03〜04、楽天05〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
05 楽天 118 383 102 22 1 25 201 65 0 0 2 38 7 80 .266
06 楽天 122 419 101 21 1 19 181 67 0 0 2 51 7 116 .241
07 楽天 141 506 132 27 2 43 292 108 1 0 7 71 10 142 .261
通算 21年 1581 4947 1296 252 11 298 2464 857 8 5 36 559 69 1192 .262

昨年大復活、21年目にして二冠王を獲得したホームラン打者。ごつい体の通り鈍重で打つだけの存在だが、ベテランになった今でも屈指の長距離砲。
入団当初は捕手だったが、打力を活かすためコンバート。ホームラン打者としての素質を買われながら、一本立ちにはちょっと時間がかかった。3年目の89年に一軍に上がりながらもなかなか定着には至らず、94年までエレベーター状態。89,90年と連続でファームの二冠王となったが、やはり大物打ちゆえの粗さが本格化の障害となっていた。
ようやく壁を越えたのは95年。この年16ホーマーを放って台頭すると、今度は一気に開花した。開幕からレギュラーとなった翌年は中軸に座って打ちまくり、3割をマークして39ホーマーの大活躍。本命松井を抑え1本差でホームラン王のタイトルにも輝いた。名実ともにドラゴンズの主軸打者となり、これで4番は当分安泰と思わせた。
しかし翌年大不振、ホームランも19本と半減。広く、ホームランの出にくいナゴヤドームに割を食った。無理に大きいのを狙うあまり、バッティング自体が雑になる悪循環。98,99年は20本以上打ったが、信頼はドンドン低下していた。
大柄な体格で、片手一本のフォローでレフトスタンドに放り込むプルヒッティングは迫力充分。ただバットがやや遠回りするスイングで、外角寄り高めの球を得意とする反面、内角にはだいぶ脆さがある。あまり勝負強さのない打者で、4番を任せるには物足りない面も強かった。守備は一塁がメインでかつては外野を守っていたが、鈍足で守備力はだいぶ低い。
00年2度目の3割を打つが18ホーマー止まり、翌年25ホーマーも打率は2割台前半と、確実性と長打が両立できないタイプ。02年出番激減すると翌年はオリックスへ。移籍1年目はパワーを見せつけたが、やはり確実性が低く、翌年はまた出番を減らしてしまった。
05年楽天へ。大物打ちの乏しいチームでは数少ない長距離砲で、後半は4番に座り5年ぶりに既定打席到達と存在感を見せた。フェルナンデスが加入した06年は5番がメインとなったが、日本人ではチームトップの19ホーマー。新天地で息を吹き返した。
年齢を考えればここまでも充分な働きだったのだが、昨年は一気に若返ったような活躍を見せた。序盤打率は低いものの一発量産、そして5月に3割中盤12ホーマーの爆発。この時点ですでに前年を上回る21ホーマーを放ち、フェルナンデスの不調もあって4番に座るように。同年生まれのローズとタイトル争いを繰り広げ、自身初の40ホーマー突破、後半ペースは落ちたものの1本差で11年ぶりのホームラン王に。のみならずこれも自己ベスト更新の108打点で打点王、見事な二冠王に輝いた。チーム4位浮上の打の立役者に。
技術的に大きく変わったということもなかったのだが、打席でゆったりできていたという印象が強い。これまでは長打を追って率を下げ、率を追って長打が出ずという繰り返しだったのだが、昨年は苦手は捨てるいい意味での割りきりができていたように思える。
38歳にして軽々スタンドに運ぶパワーは驚異的。後半率も落としていった辺り間違いなくスタミナの衰えはあるのだが、チームにとっては貴重な長距離砲。チャンスに強くないのは相変わらずだが浮いてしまえば持っていかれる。

山下 勝充 (勝己)

二軍の帝王、パワー型

右投右打
近大付高〜近大 近鉄00ドラフト4位〜04、楽天05〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
05 楽天 9 6 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 5 .167
06 楽天 39 90 25 8 0 0 33 9 3 2 1 8 0 26 .278
07 楽天 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 8年 163 301 64 18 0 1 85 20 5 10 2 24 3 85 .213

スラッガータイプの内野手。個人的にひそかに「近鉄内野レギュラー候補四人衆」と呼んでいた内の一人(他の三人は高須・前田・阿部真)。メインポジションはサード、期待される要素は打力と四人の中では毛色が違っているが、最も結果を出せていない選手でもある。
近大時代に大舞台で一発を放ち、名を売ってのプロ入り。そのパンチ力を期待され、1年目は67試合に出場した。だが自慢の打撃はプロの壁に阻まれ、打率1割5分、本塁打も1本と低迷。翌年はわずか2試合の出場に終わり、02年はついに一軍に上がれなかった。はまったときのパンチ力は魅力だが、これがなかなかはまってくれない。ファームではパワーヒッターで鳴らすも、一軍では極端な低打率に喘いでいる。
内野はすべて守れるが、逆に決め手がない印象。04年はウエスタンの二冠(首位打者、本塁打王)に輝いたが、一軍では相変わらずさっぱり。そして楽天に移った05年もその潜在能力に大いに期待されたが、シーズン通してほぼ二軍定住で、出場数はまた一桁に減少。チャンスを活かせなかった。
どうしても壁を越えられないが、06年は久々に持ち直し。6年ぶりに100打席を越え、まずまずの打率を残した。期待された一発は出ずじまいだったが、三塁レギュラー候補に再浮上。ファームでは本塁打王となり、イースタン・ウエスタン両リーグでのタイトルを獲得。
しかし昨年は一転、死球骨折のアクシデントに泣かされ5年ぶりに一軍出場なし。もう一歩というところからまた後退してしまった。その間に三塁には草野が定着、いよいよ厳しい状況にもなってきた。今季は崖っぷちで絶対に一軍で結果を残さなければならないシーズン。このまま「二軍の帝王」で終わってしまうか、勝負の年。

山田 真介

俊足外野手、チーム転々型

右投右打
上宮高 巨人98ドラフト3位〜06途中、広島06途中〜07途中、阪神07途中〜
年度 球団 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 打率
05 巨人 1 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 .000
06 巨人 10 14 2 0 0 0 2 0 2 0 0 1 1 2 .143
広島 18 47 14 1 0 0 15 0 0 4 0 2 2 10 .298
07 広島 4 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 .000
阪神 - - - - - - - - - - - - - - -
通算 10年 75 124 28 3 1 1 36 5 4 5 0 8 6 29 .226

俊足と強肩が売りの外野手。高校時代は投手でエースとして甲子園のマウンドも踏んだが、早くから野手としての素質に注目されていた。
02年一軍で初起用されると、翌年はなかなかの存在感を見せ、プロ初ホームランも記録した。二軍より一軍での打率が高かったのはセンスの発露か。ファームではレギュラー格の存在に。
悪くないデビューを飾ったものの、そこで停滞してしまった印象で、05年は一軍出場わずか1試合。伸び悩んでいたところで、06年途中に広島へ移籍。終盤なかなかの好結果を残した。これで再浮上かと思いきや、昨年はまた途中に阪神へトレード。2年で3チームに在籍することに。
昨年4試合出場はいずれも広島での序盤のもので、阪神では全く戦力になれなかった。もう中堅の年齢で、いつまでも可能性の存在ではいられない立場。そろそろ苦しい立場に。