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涌井 秀章

新エース、総合力型

右投右打 最多勝(07)
横浜高 西武05ドラフト1巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 西武 13 0 1 6 0 55 1/3 62 11 57 23 4 2 45 7.32
06 西武 26 8 12 8 0 178 161 16 136 53 8 7 64 3.24
07 西武 28 11 17 10 0 213 199 14 141 50 8 7 66 2.79
通算 3年 67 19 30 24 0 446 1/3 422 41 334 126 20 16 175 3.53

順調すぎる成長で昨年最多勝獲得、西武の新たなエースとなった右腕。高卒3年で瞬く間に大黒柱に。
高校時代は名門校にあって下級生の時から実戦登板。エースとして甲子園ベスト8の実績を残した。プロ入りすると早くからその能力の高さが評判となり、新人ながらいきなりの開幕ローテーション入りとなった。バランスの良い本格派で、持っているボールはすでに一軍級。連続KOで二軍落ちしたが、先発不足とあってすぐに再昇格。6月にプロ初勝利を挙げ、1年目から13試合すべてに先発登板。
1勝止まりとはいえ上々のデビューだったが、このあとはまさに圧巻の活躍。2年目は開幕から好調に駆け出し、交流戦終了時点で8勝と先発三本柱の一角に食い込んできた。後半やや調子を落としたが、ローテーションを守りきり最終的に松坂に次ぐ12勝をマーク。防御率も3点台前半と上々で、炭谷との10代バッテリーも話題に。
そして松坂が抜けた昨年はその穴埋めを期待され、期待以上の結果を残した。他の先発陣が調子の上がらない中開幕から猛ダッシュを見せ、オールスター時点で前年を上回る13勝と孤軍奮闘。後半勝ち星が伸びず、終盤は4敗を喫するなど苦しんだが、同い年のダルビッシュや成瀬の追撃を振り切って見事最多勝獲得。完投数11、投球イニングはリーグトップとまさにエースの働き。防御率も2点台をキープし、3年目にして早くも不動の存在となった。
スピードに関しては年々大人しくなっているが、制球力を含め完成度の高い投球が売り。力で牛耳るのではなく、バランスの良さが光るタイプ。当初は速球がシュート回転する悪癖があったが、すぐさま修正してきた辺り対応力は高い。
文句のない活躍だが、あえて課題を言うなら2年続けて後半が物足りなかったことか。しかし松坂の自己ベストが06年の17勝であり、もう並んでしまったというのは驚異的。昨年最多勝を争った3人は一つ違いでいずれも20代前半とフレッシュな顔ぶれ。今後の球界を背負っていくのは間違いない。2年で2勝5敗とソフトバンク戦の苦手意識を克服できれば20勝も視界に。

和田 毅

変則本格派、先発安定型

左投左打 新人王(03)
浜田高〜早大 ダイエー/ソフトバンク03自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 ソフトバンク 25 4 12 8 0 181 2/3 154 17 167 57 2 4 66 3.27
06 ソフトバンク 24 6 14 6 0 163 1/3 137 18 136 42 1 2 54 2.98
07 ソフトバンク 26 2 12 10 0 182 168 15 169 42 5 6 57 2.82
通算 5年 120 27 62 35 0 844 1/3 734 99 782 240 12 15 310 3.30

入団以来コンスタントな活躍を続ける先発左腕。同僚の斉藤和や杉内のような突出した成績は残さないが、常に一定以上の結果を残し続けているエース格。
東京六大学で江川の持っていた奪三振記録を塗り替え、ドラフトの目玉として騒がれてプロ入り。その前評判に違わぬ活躍で1年目から14勝、堂々の新人王を獲得した。2年目は序盤の体調不良など苦しみ、防御率を悪化させたがそれでも10勝。そして翌年は立て直し、WBCにも出場した06年は自己最多タイの14勝に初の2点台の防御率。黙っていても二桁という抜群の安定感を見せている。
もうすっかり有名になっているが、平均球速は140km前後と取り立てて速いわけではない。しかし変則的なフォームと腕の使い方で非常に球の出所が見づらく、ほとんどの打者がこの速球に差し込まれ振り遅れるのが最大の特徴。癖の強いフォームで、「体の開きが遅い」「テイクバックで体に腕が隠れる」という以外にも、腕が上がってからリリースされるまでのタイミングが他の投手と若干ずれている。本当に微妙な差だが、これがわずかであるがゆえに意識して対応することが難しい。決め球のほとんどが速球というところからも、凡百の変則投手とは一線を画す。細身ながらスタミナも充分にあり、完投能力は充分。
一見技巧派だが実は本格派というタイプで、フィニッシュに多用するのは高めの速球。制球は意外にアバウトで、コースを突く投球は得意ではない。やや抜けがちの所もあり、それが被弾癖にもつながっているが、逆に空振りを誘う球にもなっている。
昨年は7月末に10勝到達し、入団以来の5年連続二桁勝利。相変わらずの安定ぶりで、防御率も自己ベストを更新した。しかし8月以降の正念場に2勝しか上積みできず、打線の援護が減ったせいもあってか自身初の10敗。後半目立たず、数字ほど印象は強くなかった。
とはいえ確実に二桁の左腕は得がたい存在。今季は斉藤がシーズンほぼ絶望、杉内・新垣の同級生とともに投手陣のリーダーとしての働きが期待される。時折見せるポカをなくせば、壁となっている15勝も突破できそうだが。

渡邉 恒樹

リリーフ左腕、技巧派型

左投左打
相洋高〜東農大〜NTT東日本 楽天05ドラフト2巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 楽天 17 0 1 2 0 28 19 1 23 12 0 4 6 1.93
06 楽天 15 0 0 0 0 17 2/3 20 3 8 6 0 1 6 3.06
07 楽天 65 0 3 4 0 45 45 2 33 18 6 3 17 3.40
通算 3年 97 0 4 6 0 90 2/3 84 6 64 36 6 8 29 2.88

ドラフト2巡でプロ入りの楽天一期生ルーキー。名前の読みは「こうき」だが、漢字から「楽天のナベツネ」などとも呼ばれた。
社会人のキャリアが長い投手で、過去にもドラフト候補として名前が挙がったことも。即戦力として入団の05年は開幕一軍入りならず、期待されたほどの活躍はならなかったが、17試合登板で1点台の防御率と好結果を残した。2年目はほとんど二軍暮らしも、終盤昇格して15試合に登板。
スピードは並だが、スライダーやシンカーといった変化球を低めに集めるのが持ち味。凄みはあまりないが、実戦的な投手。幅広く攻める技巧派タイプ。
ここまでは可もなく不可もなくであまり目立たない存在だったが、昨年は一気に大躍進を果たした。序盤非常に好調で、5月終了時点で23試合登板わずか1失点、4月から6月頭まで実に22試合連続無失点という抜群の安定感を見せた。一軍どころかセットアッパーに定着。65試合登板はリーグ最多、チームトップの15ホールドを記録と完全一本立ちのシーズンに。
ベテラン吉田が急失速していただけに、チームにとっても渡邉の台頭は非常に大きかった。ただ前半走りすぎの反動か、6月以降は一転不安定となり、後半はだいぶ数字を落としてしまった。事実上初めてのフルシーズンで、この辺りは息切れという印象。この疲労の残り具合が不安点だが、結果を残したことは間違いなく自信になるはず。貴重な左腕リリーフとして今季も期待される。

渡辺 俊介

真正サブマリン、タフネス型

右投右打
国学院栃木高〜国学院大〜新日鉄君津 ロッテ01ドラフト4位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 ロッテ 23 8 15 4 0 187 152 14 101 27 4 0 45 2.17
06 ロッテ 23 4 5 11 0 147 155 12 105 35 14 0 71 4.35
07 ロッテ 25 8 9 6 0 177 154 14 93 34 3 1 48 2.44
通算 7年 135 31 52 36 0 886 802 82 531 204 51 2 320 3.25

今やすっかり有名となった、「世界一リリースポイントの低い」正真正銘のサブマリン投手。大きく沈み込んで地面ギリギリからすくい上げるようにボールを放つ。サイドスローの変形とは違う、完全なるアンダースロー。ボールの軌道は極めて特徴的。
かつては全くの無名だったが、社会人時代に日本代表に選ばれたことでその存在が話題となり、その年のドラフトでプロ入り。伸び上がってくる球質はプロでも絶えて久しいもので、1年目後半に一軍昇格し2勝。その個性はプロでも充分通用することを実証した。2年目は高めに広がった新ストライクゾーンを意識しすぎて不調に終わったが、3年目後半に覚醒。本来の投球を取り戻し、さらに切れ味もパワーアップ。瞬く間に勝ち星を積み上げ9勝。一気にローテーション入りから中心投手へと駆け上った。
スピード自体は並以下であっても、独特の軌道は全く別次元の球質。さらに際立っているのは緩急で、浮き上がってこない変化球が抜群の効果をもたらしている。完投能力もあり、短い間隔での登板も可能。被打率の低さが打ちづらさを証明している。
04年は開幕から先発で廻り初の二桁勝利達成。そして05年は更なる飛躍を見せ、開幕から6連勝スタート。圧倒的な安定感でチームを支え、数字をさらに伸ばして15勝を記録した。杉内とタイトルを激しく争った防御率は、2点そこそこと例年なら独走でタイトルを取れるレベル。一気にリーグどころか日本を代表する投手へ飛躍を遂げた。
この活躍でWBCにも出場した06年だったが、一転思わぬ不調に苦しんだ。開幕から不安定な状態が続き、6月から6連敗の泥沼。後半はわずか1勝しかできず、5勝11敗と大不振に終わった。チームにとっても大きな誤算となったが、昨年はしっかり復調。前半好調で5月は4戦4勝。前年より防御率を2点近く良化させ、再び先発の中心的存在に。
ただなぜか6月以降勝ち運から見放され、投球内容の割に勝ち星が伸びず。終盤駆け込んだものの惜しくも二桁には一歩届かずに終わった。切れは取り戻したので、今季は3年ぶりの二桁復権が最大の目標。というよりもノルマと見るべきか。8完投と投球スタミナは相変わらず充分。06年を除いて日本ハムは総じて得意にしている。

渡辺 亮

速球リリーフ、急台頭型

右投右打
鳴門工高〜同大〜日本生命 阪神06ドラフト(大・社)4巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
06 阪神 - - - - - - - - - - - - - -
07 阪神 53 0 1 1 0 58 1/3 53 2 52 23 4 3 16 2.47
通算 2年

2年目の昨年、リリーフで台頭してきた速球投手。着々と結果を残し、完全に一軍定着を果たした。
社会人出身ながら、1年目は一軍登板なし。二軍でも5点台の防御率とパッとしなかった。しかし秋季キャンプでナックルを披露し話題に。2年目のは4月下旬に一軍昇格し、リリーフ陣の一角に食い込んできた。前半こそさほどでもなかったが、徐々に信頼を掴んで後半は登板機会急増。オールスター以降で32試合に投げ、初勝利も記録。53登板はJFKに次ぐ多さで、一気に重要な戦力となった。
最速151kmの速球を投げ込む投手で、騒がれたナックルは実戦レベルにないということで使っていないが、これだけやれれば必要ないかもしれない。さすがに終盤は少し失点が増えたが、実質1年目でシーズン完走は立派。三振が取れる魅力もあり、今後はさらに重要な存在となってきそう。昨年の活躍を踏まえて今季も期待される。