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五十嵐 亮太

剛速球、直球力投型

右投右打 最優秀救援(04)
敬愛学園高 ヤクルト98ドラフト2位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 ヤクルト 49 0 3 2 4 56 2/3 52 6 60 27 1 6 22 3.49
06 ヤクルト 29 0 1 2 1 25 33 3 18 11 2 4 17 6.12
07 ヤクルト - - - - - - - - - - - - - -
通算 10年 407 0 41 25 48 472 2/3 352 52 544 215 12 39 175 3.33

同僚の石井弘とともに「ロケットボーイズ」と命名された豪腕。登板すれば常に150km以上は当たり前という、絶対のスピードで一世を風靡した。日本人では最も160kmに近い、と言われ続けた存在。
高卒2年目に速球を武器に颯爽と登場。後先考えぬ全力投球でセットアッパーに定着した。高めに伸び上がってくる速球はそうそうバットに当たらない。反面、当たってしまえば遠くに飛ばされてしまうが、低めに集めるのは彼の持ち味ではない。三振かホームランかが真骨頂であり、宿命。
ここまで400試合以上の登板は、すべてリリーフ。00年には11勝を記録し、左の石井弘と並んでセットアッパーとして君臨してきた。高津が退団した04年はストッパーとなり、セーブ数独走で最優秀救援のタイトル獲得。3年連続60試合以上登板と、タフさも発揮した。
しかし屈指の速球投手もここ数年故障で苦しんでいる。05年は開幕早々に故障離脱、後半立て直したものの、06年はさらなる不振。開幕戦に挙げたセーブが唯一のもので、5月以降乱調。ついに調子は戻らず、シーズン通して不調のまま終わってしまった。登板数・防御率いずれも、一軍登場以降自己ワースト。猛威を振るってきた速球に陰りが見え、常にイニング数を越えていた奪三振が大幅に減少。
肘の手術に踏み切り、昨年は一年登板なし。公式戦終了後のフェニックスリーグでようやく実戦復帰を果たした。これまで力でねじ伏せてきた投手だが、故障明けでどこまで復活できるか。そろそろ新たなスタイルを求めるべき時期かもしれない。

石井 一久

メジャー帰り、奪三振型

左投左打 最多奪三振(98,00)、最優秀防御率(00)
東京学館浦安高 ヤクルト92ドラフト1位〜01、米メジャー(ドジャース02〜04、メッツ05)、ヤクルト06〜07、西武08〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁打 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 メッツ 19 0 3 9 0 91 87 13 53 49 3 2 52 5.14
メジャー通算 105 2 39 34 0 564 508 70 435 354 17 22 278 4.44
06 ヤクルト 28 0 11 7 0 177 2/3 177 16 170 59 5 6 68 3.45
07 ヤクルト 28 2 9 10 0 166 2/3 156 21 163 49 13 8 77 4.16
日本通算 12年 300 21 98 63 1 1528 2/3 1255 146 1610 720 67 94 590 3.47

高い奪三振率を誇る先発型左腕。ポスティング移籍で02年からメジャーでプレーしていたが、06年5年ぶりに日本球界に復帰。
甲子園とは無縁でも高校時代から評判だった投手で、ドラフト1位でプロ入り。左腕から繰り出す150kmの速球と大きなカーブを武器に、1年目から一軍マウンドを踏んだ。速さに比例してノーコンでもあったが、球威はプロでも一級品。順調な成長で4年目の95年に13勝を挙げ、チームのエース格となった。96年こそ故障で不振だったものの、復帰した97年以降は4度の二桁勝利を記録。最多奪三振を2度、00年には防御率タイトルにも輝き、日本でもトップクラスの左腕と目される存在に。
なんといっても武器は速球と、故障以降はスライダーがメイン。ひどく四球が多い投手で、98年にはシーズン100を超える数字を記録。この年記録した20暴投は06年までの日本記録で、通算でも現役最多、村田兆次に次ぐ史上2位の記録保持者。だがその荒れ球も大きな武器の一つで、奪三振が非常に多い。2度の最多奪三振はいずれもシーズン200の大台突破で、荒々しい投球が持ち味。
早くからメジャー志向と言われていた通り、01年チームを日本一に導くとそのオフにポスティングを利用してドジャースに。ドジャースでの3年間は登板すべて先発で、02年に14勝、04年に13勝の活躍を見せた。四球はアメリカでさらに増えてしまったが、充分な力を示した。
メッツに移った05年に3勝と不振、自由契約となったことで日本復帰の可能性が注目された。二桁可能な先発左腕を見過ごすはずもなく、複数の球団が獲得に名乗り。争奪戦が展開されたが、大方の予想通り古巣のヤクルト入り。
メジャー帰りでエース級の活躍が期待された06年は、前半いまいちでオールスターまでに4勝と苦戦。しかし後半大きく巻き返し、一年ローテーションを維持して11勝とまず期待通りの働きを見せた。昨年も当然先発で回転。ただ前年ほどには活躍できず、9勝止まりで防御率も4点台ともう一つ。あまり目立たないシーズンに終わった。
渡米前に比べると随分スピードは落ちた感だが、その代わりにしたたかさが出て捉えどころのない投手になった印象。立ち上がりの悪さや球数の多さなど見ていて安心しきれない投手だが、これもまた持ち味の一つか。オフにFA宣言し、今季は西武に移籍。当然期待は先発で10勝。

石井 弘寿

剛球左腕、馬力型

左投左打 最優秀中継ぎ(02)
東京学館高 ヤクルト96ドラフト4位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 ヤクルト 61 0 4 3 37 73 2/3 52 6 91 15 2 0 16 1.95
06 ヤクルト 11 0 0 0 6 10 1/3 8 2 14 4 0 0 5 4.36
07 ヤクルト - - - - - - - - - - - - - -
通算 12年 338 0 27 15 55 426 1/3 335 44 484 156 7 19 126 2.66

「ロケットボーイズ」の左組。左腕ではほぼ球界最速の投手で、平均的に150km前後を記録する豪腕。日本代表としてアテネ五輪にも出場し、WBCにも選出された。
入団当初から「石井一久を越える速球の持ち主」と大きな期待を集めていた。しかし当初は、確かに球は速いがありがちなノーコンで、せっかくの速球をなかなか活かせなかった。
99年からようやく一軍に出始め、中継ぎとして定着。この頃は制球を意識してややスケールダウンした印象だったが、経験を積むに連れ自信がついたのか、本来の力を徐々に発揮。特に02年は150km超を連発。抜群の安定感を見せ、同僚五十嵐と並び称される存在に。伸び悩みの原因だったノーコンも過去のものとなり、完全に一本立ちした。
五十嵐のストレートが刃物のようなイメージなら、石井はハンマーのような印象。スライダーも強力で、奪三振率が非常に高い。特に右打者への内角球はまともに当てるのも至難のボール。連打はまず期待できず、今は四球で崩れることもまずない。
一時故障がちだったが、05年は五十嵐に代わって抑えを務め、見事なクローザー振りを見せた。安定感抜群の投球で君臨し37セーブを記録。02年から4年間の防御率は2点を切る凄まじさ。
しかしポスティング騒動を経た06年以降、故障に泣かされ続けている。左肩を痛めWBC遠征先から離脱・帰国。ここから何度も離脱を繰り返し、わずかな登板数に終わった。オフに手術に踏み切り、昨年は9年ぶりに一軍登板なし。二軍でも登板はなく、丸一年をリハビリに費やすことに。
ようやくブルペン投球を開始した段階で、復帰の目処はまだまだ。二年近く実戦から遠ざかってしまったが、能力は一級品の左腕だけに復活を期待したいところ。故障の影響が気になるところではあるが…。

石井 裕也

サイレントK、切れ勝負型

左投左打
横浜商工高〜三菱重工横浜硬式クラブ 中日05ドラフト6巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 中日 24 0 3 1 0 32 1/3 49 3 27 18 1 2 21 5.85
06 中日 11 0 2 1 0 24 2/3 20 1 24 10 2 1 11 4.01
07 中日 16 0 2 2 0 18 1/3 13 1 14 11 0 0 6 2.95
通算 3年 51 0 7 4 0 75 1/3 82 5 65 39 3 3 38 4.54

先天性の難聴というハンデを抱えながら、プロ入りを果たした左腕投手。高校時代に話題となり、「サイレントK」の異名を取った。社会人を経て、即戦力として入団。
ドラフトの指名順位は低かったが、1年目開幕直後に一軍入り。2度目の登板で早くも初勝利を記録すると、次の登板でも勝利投手に。その後しばらくは僅差での登板が続いたが、徐々に捉まるようになって一軍定着とまではいかなかった。それでも3勝を挙げて上々のスタートを切った。
低め中心に集めて、切れで勝負するタイプ。奪三振はなかなか多く、異名に偽りはない。ただ、個人的にはもう一つ鋭さを感じない。なんとなくコースを意識しすぎているようにも感じられた。攻めきれず四球というのもちょっと目立った。
ルーキーイヤーに比べると、ここ2年は成績こそ向上しているが登板数が伸びず印象がやや弱い。06年は開幕一軍入り、リリーフで好投も先発で大炎上し、大半が二軍暮らし。昨年は春先に内容が悪く、やはりシーズンの半分以上を二軍で過ごした。ただ終盤に一軍復帰してからは8試合連続無失点で閉幕。7点台だった防御率を一気に2点台まで良化させ、いい状態でシーズンを終えられた。
もう一歩で一軍定着できそうな位置にはいるのだが、好調が長続きしないのが難点か。相変わらず多い四球はリリーフとしては印象が悪いので、制球を磨いて信頼を掴みたいところ。三振が奪えるのは大きな魅力。

石川 雅規

技巧派左腕、小兵型

左投左打 新人王(02)
秋田商高〜青学大 ヤクルト02自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 ヤクルト 26 0 10 8 0 149 2/3 180 18 105 24 4 7 81 4.87
06 ヤクルト 29 0 10 10 0 151 191 12 81 17 3 4 76 4.53
07 ヤクルト 26 3 4 7 0 96 2/3 104 15 50 16 5 2 47 4.38
通算 6年 167 9 59 56 0 929 1059 107 509 141 26 25 429 4.16

169cmと投手としては規格外ともいえる小さな体ながら、東都大学リーグで大活躍し堂々の自由枠入団。1年目から常に先発の一角を占め続けた技巧派左腕。
1年目のチームはエースの石井一がメジャー移籍、さらに前年活躍の前田や入来が不振で脱落。そんな状況だっただけに石川の活躍は光った。開幕からローテーションをしっかり守って安定。終盤になっても息切れせず、12勝の堂々たる成績で横浜の吉見を振り切り、見事新人王を獲得した。2年目もジンクスなど関係なく12勝。以降常に主力として投げ続け、故障などで活躍が二年続かない投手が多いチームにあってエース格とも目される存在に。
球速はそこそこの投手だが、軸となるスクリューも含めて変化球が実に多彩。若いながらもテクニックに秀で、打者との駆け引きがこなせるのが大きい。打者に的を絞らせない投球が身上で、球威ではなく技術で抑える投手。
05,06年は開幕投手も務め、球団史上初、リーグでも江夏以来という、入団から5年連続二桁勝利の快挙を達成した。ただ勝ってはいるものの1年目から年々投球内容は悪くなり、負け数も多く防御率もいまいち。その不安は昨年一気に表出した。当然のごとくローテーションに名を連ねたが、開幕から乱調で二ヶ月勝ち星なし。6月にようやく初勝利も、前半は結局その1勝のみ。先発脱落、二軍落ちと散々な状態となってしまった。後半から終盤ようやく立て直したが、わずか4勝止まりで連続二桁勝利はストップ。入団後初めて規定投球回に届かず、もちろん自己ワースト、チームにとっても大誤算の一年に。
全く不本意なシーズンだったが、一方でシーズン終盤の安定感はここ数年なかった姿。3完投は03年以来で、オールスター時点で7点台だった防御率も4点台前半まで持ち直した。一度派手に沈んだことで狂っていた部分を修正できたと見たいところ。質・量ともに苦しい先発陣だけに、チーム浮上のためには復活してもらわなければ困る存在。最後の安定を今季持続できるか。

一場 靖弘

エース候補、荒削り型

右投右打
桐生第一高〜明大 楽天05自由枠〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 楽天 23 2 2 9 1 102 119 15 72 53 4 8 63 5.56
06 楽天 30 5 7 14 0 193 2/3 205 22 151 71 7 13 94 4.37
07 楽天 12 0 6 2 0 58 2/3 73 5 40 21 1 7 35 5.37
通算 3年 65 7 15 25 1 354 1/3 397 42 263 145 12 28 192 4.88

鳴り物入りで入団した、楽天のエース候補右腕。高校時代は正田(阪神)の一年後輩で、2年生時に甲子園優勝を経験。大学では下級生時から主戦を張り、完全試合を達成するなどの活躍で「ドラフトの目玉」と注目を集めた。ところが「金銭授受問題」で進路が二転三転。散々の紆余曲折の末楽天入りとなった。
チームにとっては数少ない若手投手であり、また本来なら目玉であった大物。入団前の経緯から注目度も高く、チームの期待は並々ならぬものがあった。しかしプロデビューは先発7連敗、未勝利のまま二軍落ちと苦い結果に。明大野球部を夏場に退部して実戦から遠ざかっていた影響も少なからずあった。勝てない焦りから力みも目立ち、制球を乱して早期に失点というケースが目立った。
それでも150kmの速球を持ち、持っている能力は一級品。二軍調整後はパーフェクトの西口と渡り合うなど堂々たる投球を見せ、9月に待望の初勝利。経験を積んだ2年目に大きな期待を持たせた。そして06年は岩隈が故障ということもあって開幕投手に指名。チームでただ一人ローテーションを守り続けた。ただ前半好調も後半ははっきり失速、交流戦以降2勝8敗と大きく負け越し、トータルでも7勝で止まってしまった。完全な脱皮には至らず。
どこか垢抜けないところの残る投手で、力んで投げ急いでしまう悪癖を持つ。下半身が粘れている時の投球はさすが一級品と思わせるのだが、悪い時はあっという間に滅多打ちを食らってしまいがち。まさに荒削りという印象。
昨年は開幕直後散々に打ち込まれ、故障で前半離脱。苦しいシーズンになったが、復帰後の後半これまでにない安定感を見せ始めた。8月中旬に初勝利を挙げて以降、2点台の防御率で一気に6勝。大安定でチームを支え、自身初の勝ち越しに成功した。
シーズン終盤の投球は見違えるほど安定したもの。故障離脱という苦難とともに、新人田中の活躍が大きな刺激になったかもしれない。いよいよ大器覚醒を予感させる活躍だった。これを維持できれば今季こそ二桁は堅い。田中の出現に一場の台頭が重なり、楽天の投手陣はかなり面白い陣容になってきた。

伊藤 剛

速球派右腕、球威型

右投右打
日大明誠高〜NTT関東 日本ハム99ドラフト6位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 日本ハム - - - - - - - - - - - - - -
06 日本ハム 5 0 0 1 0 6 2 0 4 2 0 0 2 3.00
07 日本ハム 11 0 0 0 0 15 20 3 8 3 2 2 11 6.60
通算 9年 68 1 4 7 7 133 2/3 156 20 66 55 3 8 70 4.71

シュート気味の140km台中盤の速球で押し込む投手。マウンド上で割合に大きく見える投手で、球威はかなりのレベル。
ドラフト下位入団だが、球威の良さは早くから注目され、リリーフに期待された。1年目はそこそこだったものの、2年目は通用せず。以降3年は低迷が続き、03年は被打率5割超という滅多打ち。
年齢的にもこれ以上の向上は難しいかと思われたが、しかし04年、建山不調の穴を埋めストッパーに。制球力に格段の進歩を見せ、遅れてきた豪腕として急台頭を見せた。だが好事魔多し。あろうことか自身も故障を負ってしまい、せっかく掴みかけた大きなチャンスをみすみす逃してしまう不運。
チャンスが一転、翌年まで影響する故障でピンチとなってしまったが、06年復活。1位争いが白熱する終盤に一軍昇格。いきなり僅少リードの厳しいリリーフを任され、わずかな数だが重要な登板をこなした。存在感を見せたかに思えたが、しかし昨年はまた不振。出足から不安定で、失点がかさみ5月に二軍落ち。以降は昇格なくシーズンを終えてしまった。
力はあると思えるのだが、どうしても一軍半の状態から抜け出せない。もう30歳を越えており、また微妙な立場になってしまった。今季辺りは正念場となりそう。

入来 祐作

本格力投型

右投右打
PL学園高〜亜大〜本田技研 巨人97ドラフト1位〜03、日本ハム04〜05、(米マイナー06〜07)、横浜08〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 日本ハム 28 2 6 7 0 150 2/3 147 16 122 65 8 3 56 3.35
通算 9年 212 9 35 35 3 775 718 93 672 295 25 15 321 3.73

上背はないが、回転のきれいな速球でぐいぐい押してくる本格派右腕。社会人から即戦力として巨人入団、井口獲得に失敗した巨人が大慌てで西武を逆転し逆指名を取り付けた選手。入来智の実弟で、巨人では2年間チームメイトにもなった。
そこまでしながら当初は酷い扱いで、先発なのかリリーフなのかはっきりしない起用法が続いていた。もともとストレートの回転のいい入来は、逆に言えば長打を食らいやすく、1点を争うリリーフには向かないタイプ。中継ぎで良ければ先発に、という起用法は向いていなかったかもしれない。
01年あたりは戦力外待遇でトレードの噂もちらほらあったが、そこからそれを覆す大活躍。チームトップの13勝を挙げ一気にエース格に。ようやく素質開花といった雰囲気だったが、翌年は勝ち運に見放されてわずか5勝。さらに03年は故障で一年を棒に振り、どうも入団時からツキがないという印象。この年限りで日本ハムへトレード。
移籍1年目は2勝止まりと、先発不足に悩むチームの期待を大きく裏切ってしまった。衰えも懸念されたが、しかし翌年巻き返し。当初は中継ぎだったが、先発に廻ると好調維持。もうひとつ勝ち星は伸びなかったが、一時はチームで一番の安定感を見せた。一年遅れで先発の軸的存在に。
大卒社会人経由のため、キャリアの割に年齢は高め。05年オフポスティングでのメジャー移籍を図るが入札なく、自由契約となってメッツの契約。しかし渡米後は大きな苦難を味わった。メジャー契約ながらマイナーでのスタートとなり、しかも禁止薬物陽性反応で50試合の出場停止処分。メッツを解雇された昨年はブルージェイズ傘下のマイナーチームでプレーしたが、結局2年の米生活で一度もメジャーのマウンドには立てなかった。
昨年オフに横浜の入団テストに合格、3年ぶりの日本球界復帰が決定した。ここまでのキャリアでは、期待が大きいと裏切り、逆境になると跳ね返してくる傾向が見えるが、今度はどうか。今季で36歳と年齢も気になるところだが。

岩隈 久志

変則速球派、完投型

右投右打 最多勝(04)、最優秀勝率(04)、ベストナイン(04)
堀越高 近鉄00ドラフト5位〜04、楽天05〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 楽天 27 9 9 15 0 182 1/3 218 19 124 40 6 7 101 4.99
06 楽天 6 2 1 2 0 38 2/3 43 4 16 12 1 0 16 3.72
07 楽天 16 0 5 5 0 90 95 6 84 23 2 0 34 3.40
通算 8年 129 32 57 43 0 850 1/3 884 74 672 208 31 14 359 3.80

楽天のエース右腕。近鉄時代に彗星のごとく現れ、それ以降瞬く間にエースに駆け上った。新生チームの投手陣では図抜けた存在。
高卒2年目の01年終盤、伸びのある速球で4勝を記録、チームの優勝に勢いをつけた。翌年は勝ち星を倍にし8勝、さらに03年は一気に二桁突破の15勝。急成長の勢いはとどまるところを知らず、04年は開幕から破竹の快進撃で先発12連勝を達成。二年連続の15勝で最多勝に輝き、防御率もタイトル寸前まで向上。二十代前半の若さながら、リーグを代表する投手にのし上がった。
モデルと見まがうような細身だが、完投能力は非常に高い。腕をだらりと垂らす特徴的な変則フォームから、肘を鞭のように柔らかくしならせる。切れのよい速球と、最大の武器はスライダーの切れと制球力。右打者の外角低め、実に際どいところに投げ込む。
04年末去就で揉めた末、志願の楽天入り。弱投を一人で支える形となったが、05年はやや精彩を欠いた。チーム状況から勝ち星が減る事は当然予想されたが、自身の出来も前年ほどではなかった。生命線のスライダーがいまひとつ切れず、被打率は3割超と大幅悪化。15敗を喫して防御率は5点前後と自己ワースト。安定感がなく、暴投7というのもらしくない姿だった。
不振の原因は色々考えられるが、何よりも疲労が一番大きいかもしれない。もともとシーズンのスタミナは不足気味で、活躍時も後半息切れしていた。やはり蓄積疲労があったのか、06年は故障で長期離脱。肩を痛めて一時は球速ががた落ちし、復帰も危ぶまれる状態となった。ほぼ一シーズンを棒に振ることに。
終盤復帰を果たして昨年は開幕投手に。しかし依然として体調不安は抜けず、故障で再三離脱。それでもオールスター以降は状態が落ち着き後半4勝、通年で5勝と復活の足がかりは掴んだ。少し頼りない一面を見せつつあるのが気になるが、若い投手が台頭してきた上に岩隈が完全復活ならチームの先発陣はかなり強力にもなる。今季こそは二桁復権なるか。

岩崎 哲也

トルネードサイド、中継ぎ新星型

右投右打
行田工高〜国士舘大〜三菱重工横浜硬式野球クラブ 西武07ドラフト(大・社)5巡〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
07 西武 55 0 3 1 2 54 1/3 43 5 33 17 5 1 17 2.82
通算 1年

1年目から50試合以上に登板、即戦力となったサイドスロー右腕。チームトップの登板数で貴重な戦力となった。
身長190cm、その大柄な体を強烈に二塁方向にひねる、いわゆる「トルネード投法」で投げ込む。相手、特に右打者には強烈な威圧感を与えるフォームで、長いリーチのサイドスローも重要な個性。
開幕一軍入りを果たし、序盤から登板機会は非常に多かった。当初こそ不安定さも目に付いたが、5月以降は大きく安定。オールスター以降は1点台の防御率で抑え込む活躍を見せた。チームでは三井に次ぐホールドを記録し、重要なリリーフの一角に定着。
スライダーは非常に変化量が大きく、打者が思わず手を出すととんでもないゾーンにまで逃げていくこともしばしば。スピードもあり、これはかなりの掘り出し物。中継ぎ陣が手薄と言われるチームにとっては非常に大きな補強となった。何事もなければ今季もかなりの活躍を見込めそう。

岩瀬 仁紀

鉄壁左腕、守護神型

左投左打 最優秀中継ぎ(99,00,03)、最多セーブ(05,06)
西尾東高〜愛知大〜NTT東海 中日99ドラフト2位〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
05 中日 60 0 1 2 46 57 1/3 51 0 52 8 2 1 12 1.88
06 中日 56 0 2 2 40 55 1/3 40 3 44 8 0 0 8 1.30
07 中日 61 0 2 4 43 59 53 3 50 9 0 0 16 2.44
通算 9年 531 0 44 25 157 576 2/3 466 24 534 132 15 9 126 1.97

実績・実力ともに、球界一と言われるリリーフ左腕。絶対の武器であるスライダーで打者を牛耳り、入団からここまで常に50試合以上登板という鉄腕。ドラゴンズ投手陣を支える重要な存在で、紛れもない守護神。
1年目の99年からリーグトップの65試合登板で10勝、というのだから恐ろしい。即戦力という言葉すら安っぽく感じさせるほどの存在感で、チーム優勝の原動力にもなった。20勝の上原がいなければ新人王は間違いなかったはずで、個人的にはMVPでもおかしくないくらいの存在感があった。疲れを懸念する周囲の不安を吹き飛ばすように翌年もリリーフで10勝。接戦に非常に強く、重要度では1イニング限定のクローザー以上の存在だった。3度の中継ぎタイトルに輝き、日本代表にも文句なしの選出。
スリークォーターで低いところから腕が出てくるため、スライダーは真横にゾーンを横切るような球筋。左打者にはもちろん、右打者にも鋭く食い込んで捉えづらい球種で、スピードも充分にある。昨今主流の、言うなればよくいるタイプではあるのだが、滅多に高めに浮かない制球力も含めてすべての面でハイレベル。このタイプの完成形といっても過言ではない。
長年セットアッパーを務め、大塚が抜けた04年からストッパーに廻った。この年序盤は疲労からかスライダーがあまり切れず、これまでになく打ち込まれる場面が目立った。さすがの岩瀬も…と思わせたが、それでも不調は前半だけ。わずかな期間で持ち直し、後半は非常に安定。05年は開幕から万全で、絶対の守護神として君臨。98年の佐々木(横)を抜いて、シーズン最多セーブの新記録を樹立した。被本塁打0というのも凄まじい。
過去にも01年に若干安定を欠いたが、翌年すぐに神がかり的な投球を見せた。不調が長引かない、引きずらないのはリリーフとして理想的。06年も圧倒的な安定感で優勝に貢献、昨年も7月にちょっと打ち込まれて防御率は悪くなったが、前人未到の3年連続40セーブを達成。いまや日本一のクローザーと思える存在に。
入団から9年連続50試合以上登板、これだけ投げて通算防御率は2点未満。故障らしい故障をしていないというのも凄まじい。これだけの投手の代わりはそうはいないだろう。滅多に見られないが、打力もかなり高い。

リン・インチェ(林英傑)

台湾代表左腕、発展途上型

左投左打
楽天06〜
年度 球団 試合 完投 勝利 敗戦 セーブ 投球回 被安打 被本塁 奪三振 四球 死球 暴投 自責点 防御率
06 楽天 5 0 0 2 0 27 22 4 9 13 3 1 13 4.33
07 楽天 4 0 0 0 0 6 10 0 4 1 0 0 3 4.50
通算 2年 9 0 0 2 0 33 32 4 13 14 3 1 16 4.36

台湾から来日の外国人投手。まだ若いながら、母国では最多勝や防御率1位などすでに実績充分で、WBCにも代表入りした。以前から日本球界が触手を伸ばしていた逸材で、左のエースとなる事を期待されての入団。登録名は「インチェ」。
チームの期待は大きく、開幕2戦目に早くも先発。次の登板では勝ちはつかなかったものの8回を無失点とかなりの好投を見せた。その後も先発で投げ続けたが、4月下旬に故障離脱。初勝利を挙げられないうちに戦列を離れてしまった。
スピードのある速球派左腕という触れ込みだったが、ここまでの投球ではだいぶイメージが違って変化球主体のかわすスタイル。台湾では奪三振も多かったのだが、そういう面を見せていない。故障は不運だったがちょっと期待はずれという印象も。
昨年は序盤リリーフで3試合投げたが、その後は長期の二軍暮らし。シーズン終了直前に久々登板したが打ち込まれ、結局未勝利のまま2年目も終わってしまった。台湾時代のチームメイトで「雙林」と並び称された林恩宇ともども全く戦力にならなかった。
さすがに外国人でこの成績は寂しすぎる。二軍でも5点台の防御率と内容悪く、期待値も随分下がってしまった。このままでは苦しいと言わざるを得ないが…。何とかかつての名声の片鱗を見せてほしいところ。